10年近く前から、よくご自宅用でご利用くださっている女性のお客様がいらっしゃいます。夜8時過ぎ、お仕事帰りに店に寄ってくださることが多く、いつもスーツ姿の上品な印象の方です。店内をゆっくりとご覧になり、店長といろいろなお話をするのを楽しみにしていらっしゃるようでした。
このお客様がおっしゃった印象的な言葉があります。ある日、私が1人で遅番の時にそのお客様がいらっしゃいました。いつものように店内をゆっくりとご覧になるのを緊張しながら見守っていると、奥の棚の前で立ち止まられました。じっと長い間ご覧になっていたので、お声掛けをすると、グリーン系の3色を気に入ってくださり、その中でどの色にするか迷っていらっしゃるようでした。それぞれの色の印象についてお話してみましたが、しばらく沈黙が続いてしまい、どんなアドバイスをして差しあげたらよいのかと内心焦っていると、お客様が「タオルの色を迷うのってすごく楽しいんですよね」とおっしゃったのです。「洋服は自分の好みだけでなく、他の人からどう見られるかということも考えてしまうけれど、家で使うタオルは本当に自分の好きなものを選べるから」と。私は、この方はきちんと自分の生活スタイルをお持ちで、生活(プライベートな時間)を楽しんでいらっしゃるのだろうなという憧れの気持ちと、ホットマンがその生活のお役に立てているということが嬉しくて感動してしまいました。
いろいろ悩んで、お客様はモスグリーンのハンドタオルをお買い上げくださいました。このタオルはとても大事に使ってもらえるのだろうなと思いました。そしてさらに嬉しいことに、1週間後、「使ってみてよかったから」と、迷っていらっしゃった別のグリーンのハンドタオルもお買いあげくださいました。
このお客様のお買いあげ履歴表を改めて見ていたら、欄外に店長の字で「(ホットマンの商品を)少しずつ集めたいとおっしゃっていた」とメモがありました。ホットマンの商品の良さをわかって継続して生活に取り入れてくださっているお客様を、本当に大切にしていかなければならないし、お客様の期待に応えられるよう努力していかなくてはいけないと思いました。また、販売する私自身も、心にゆとりを持って、自分の好きなものに囲まれて生活そのものを大切に楽しむ、そんな素敵な女性になりたいと思います。
千葉県 Iさん