息子の出産の時、夫ではなく、私に寄り添ってくれた思い出のタオルがあります。柔らかい色のピンクのゲストタオルです。初めての出産という不安と、長く続く陣痛の痛みと汗をやさしく拭ってくれました。出産という大仕事を一緒に乗り越えた「同志」です。タオルのしっかりとした感触は「よし!大丈夫」と前向きにしてくれる心地良さでした。無言のエールを送ってくれたタオルは私にぎゅ~っと握られて、新品だったのに、あっという間にクタクタの姿に・・・。
私に産み出す力を与えてくれたタオルはその後息子の赤ちゃんの引き出しにしまってあります。あれから、また家族が増えます。出産準備の荷物にはあのピンクのタオルが真っ先に入ることでしょう。前回の安産を願ってのげんかつぎです。 何も語らずとも、「頼りになる」そんな存在で私もありたいと思います。
宮城県 Sさん